文系大学生の革製品制作奮闘記(前編)
JLIA主催の「Japan Leather Award 2011」に先日だそうと思っていたのですが、結局色々あってだせずにいましたが、
ちょうど先日、立命館大学の学生さん三人が来店されました。
聞いてみると、ゼミの一環として「Sカレ」というコンテストに出すそうなのですが、内容は
- ジャンルは革小物
- 折り紙の要素を取り入れた革小物
- 製品としても魅力的なもの
- 自分たちで企画と制作と全て行う
- 10月頭には完成品にしないといけない
という、日頃革を扱っている私でも骨折れるようなテーマだなと正直思いました。
特に2番目の折り紙はパキッとした折り目が魅力なのに、革はふわっとしたカーブが魅力と相反する部分をどうクリアするのか。
しかも、時間は殆ど無い…聞けば経営学部だということで、普段ものなんて作ったことないとのことでした。あらら。
…それで、これを作りたいのですと言って出されたものは、「なくしやすい物を入れられるケース」でした。
本人達が実に一生懸命考えたものでしょうし、なんとか生かしてあげたかったのですが、問題点がありました。
- それを使うと本当に失くしにくくなるのだろうか
- 色々入れるとスマートフォンと鍵がぶつかるのでは
- 紙では作れるが、革ではよほどうすく漉かないといけないし、それでは革らしさがそこなわれるのでは
- 革はもちろん普段作ることをしないのに、これを作れるのだろうか
それで、私が
- 革についての知識が殆ど無いのに良い革製品を開発するのは難しいのでは
- できれば、時間がない中とは言え、コンセプトから練り直すほうがいいと思う
- できることなら、グランプリをとってもらいたいが、それよりこういう機会がないとしないであろうもの作りを通じて将来のためにも良い経験として残って欲しい
など、正直な意見を伝えたところ、
しばらくの沈黙の後に、
「一度、出なおして考え直します。今日は革に慣れるためにも、小銭入れを三人で製作します。」
とのことでした。
革の革の特性や革の種類、ざっくりした知識、製品にする際にどういうことに注意したほうがよいかなどを私なりの意見を伝えて製作してもらいました。
次回は実に2日後ということで、ほとんど時間がない中どういうふうに展開してゆくのでしょうか。
(続く…)
TrackBack
TrackBack URL for this entry:
https://kawasemi.co/%e6%96%87%e7%b3%bb%e5%a4%a7%e5%ad%a6%e7%94%9f%e3%81%ae%e9%9d%a9%e8%a3%bd%e5%93%81%e5%88%b6%e4%bd%9c%e5%a5%ae%e9%97%98%e8%a8%98%ef%bc%88%e5%89%8d%e7%b7%a8%ef%bc%89/trackback/